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"THE BLIND SIDE-しあわせの隠れ場所(2009)" [movie-b]

『あなたの人生史上、最高の実話』

あまりに安直なキャッチコピーで、なんだかなぁ、と思ってしまった。
評価が悪くない作品だったにもかかわらず、いままで観ていなかった。
食わず嫌いは良くないなぁと思って、借りてみた。素直に、いいと思えた。そんな映画。

全米で有名なマイケル・オアーというアメフト選手。
テネシー州メンフィスのスラム街で生まれ、父親の顔を知らず、
薬物中毒の母親に育てられたマイケル。
過酷な環境で育った彼が、運よく私立高校への入学を認められたものの、
家を閉め出されホームレスになり、
雨の降る感謝祭の夜、Tシャツと短パンでとぼとぼ歩いているところを、
サンドラ・ブロック演じる裕福な白人家庭の主婦に見つけられ、彼女の家に身を寄せるところから物語は始まる。
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サンドラ演じる主婦リー・アン・テューイの思い切ったキャラクターがよい。
「元チア・リーダーの裕福な主婦」という言葉から想像しがたい、直観的な判断力と人を見る目。
ステレオタイプなものの見方に囚われない、おおらかな性格と、自分の信念を貫く心意気。
サンドラ・ブロックはこの作品で数々の賞を得たことも記憶に新しいけれど、
彼女に本当に合う役柄だったことは確かだし、彼女が演じることによって、
その存在が際立つものになったことも確かだ。
一方、マイケル・オーアを演じるクィントン・アーロンも、その役柄を見事にこなしていた。
大きな身体に似合わない敏捷な運動神経と、
保護本能(自己や家族を守る本能)に優れた彼を、
アメフトの選手として見出し守り抜いた、周囲の環境やリー・アンの家族たちの理解は相当なものだったと思う。
特に同じ年頃の娘は複雑な心境だったと思う。
彼を家族として迎え入れたことで、周囲の好奇の目やからかいに苦労したこともあったろう。
それでもマイケルを家族としてきちんと認め受け入れたところに、
リー・アンの娘らしい、心意気を感じる。
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弟のSJも彼を素直に受け入れ、家族に溶け込めるよう屈託なく接する。
そんな子供たちの存在も、この作品になくてはならないキーポイントだったし、
一歩引いたところで常に家族を優しく見守り、リー・アンのすることなすこと信じてあげる、夫ショーンの男らしさも、かなり好感度が高かった。

実話だろうが、実話でなかろうが、いい話だし、観ていて本当に心が温かくなり、
そして爽快感を感じられる映画だった。
アメフト、というスポーツを知らなくとも楽しめるし、
逆に、ドラフトの舞台裏や、練習や試合を通してどんな資質が求められるかなど、
アメフトへの理解を深めることもできる内容になっている。
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そして実在のリー・アン一家とマイケル・オアーの写真がこちら。
本当にあたたかいファミリーの雰囲気が、端的に伝わってくる。
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観た後に清々しさの残る作品。

THE BLIND SIDE
しあわせの隠れ場所
2009/USA/128min

監督:ジョン・リー・ハンコック
原作:マイケル・ルイス
『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』(ランダムハウス講談社刊)
脚本:ジョン・リー・ハンコック
撮影:アラー・キヴィロ
出演:サンドラ・ブロック/クィントン・アーロン/ティム・マッグロウ/キャシー・ベイ
リリー・コリンズ/ジェイ・ヘッド/レイ・マッキノン/キム・ディケンズ/キャサリン・ダイアー


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