"WALL STREET-ウォール街"(1987) [movie-w]
なんだか落ち着かない毎日が続いていて、すっかりブログがおろそかになっていました。
先週、先々週と出張続きです。
さて最近はというと…週に3日はWalk&Runしてます。
とうとう体重が高校時代以来の最高値を記録し、本気ダイエットのスタート。
家の近くの川沿いは緑が多くて環境も抜群、4月~5月はいちばんいい季節ですが、
最初はなかなか朝起きられず…でも慣れると本当に気持ちいい。
梅雨~夏は…果たして続けられるか疑問ですが…(笑)
この年齢になるとメンテナンスの大切さに気付きますね。
さて、がん闘病中のマイケル・ダグラス出演で話題になった『ウォール・ストリート』の1作目。
いまだ未見だったので、これを機会に観てみることに。
正直あまり興味のない金融業界の話、面白いと思えるのか少し疑問に感じながら観ていたけれど…
これがいい意味でも悪い意味でもとてもアメリカ的で、キーになる粋な台詞の存在もあり、
メリハリのあるストーリー運びとなっていて、思っていたより魅力的に感じられる作品だった。
あらすじは、出世願望の強い若手証券マン、バド・フォックスが、業界のフィクサーであるゴードン・ゲッコーに取り入り、出世階段を駆け上がるが、
資本主義社会と業界の裏側を目の当たりにし目を覚ますという物語。
ゴードンとの関係が深みにはまってゆく転換となるシーンで、
ゴードンに汚れ仕事を頼まれ、いったんは断ったものの、ゴードンに車から放り出され、
一瞬の逡巡のあとにバドがゴードンに"You got me."と言い放つところが印象的だ。
こういう気のきいた台詞の使い方、テンポよい台詞回しがずいぶんある。
一匹狼のゴードンがバドに目をかけるようになる経緯もディテールをきちんと描いていて、
オリヴァー・ストーンの粘着質かつシニシズムに溢れた作品作りはここでも健在。
彼の作品は特に国内で賛否両論あるものが多いというが、
この作品もそう言った意味で当時波紋を及ぼしたらしい。
金融業界のことを知らずとも楽しめるのは、業界の内幕だけでなく、
バドとゴードン、バドと父親の関係性(C.シーンの実の父親、マーティン・シーンが父親を演じている)
が巧く描かれているからだろう。
マイケル・ダグラスの怪演が、この作品の魅力を下支えしている。
彼の敵役としてテレンス・スタンプが冷酷なイギリス人投資家を演じているのも一興。
ウォール街
WALL STREET
1987/USA/124min
監督:オリヴァー・ストーン
製作:エドワード・R・プレスマン/オリヴァー・ストーン
撮影:ロバート・リチャードソン
プロダクションデザイン:スティーヴン・ヘンドリクソン
編集:クレア・シンプソン
音楽:スチュワート・コープランド
出演:マイケル・ダグラス/チャーリー・シーン/ダリル・ハンナ/マーティン・シーン
テレンス・スタンプ/ショーン・ヤング
先週、先々週と出張続きです。
さて最近はというと…週に3日はWalk&Runしてます。
とうとう体重が高校時代以来の最高値を記録し、本気ダイエットのスタート。
家の近くの川沿いは緑が多くて環境も抜群、4月~5月はいちばんいい季節ですが、
最初はなかなか朝起きられず…でも慣れると本当に気持ちいい。
梅雨~夏は…果たして続けられるか疑問ですが…(笑)
この年齢になるとメンテナンスの大切さに気付きますね。
さて、がん闘病中のマイケル・ダグラス出演で話題になった『ウォール・ストリート』の1作目。
いまだ未見だったので、これを機会に観てみることに。
正直あまり興味のない金融業界の話、面白いと思えるのか少し疑問に感じながら観ていたけれど…
これがいい意味でも悪い意味でもとてもアメリカ的で、キーになる粋な台詞の存在もあり、
メリハリのあるストーリー運びとなっていて、思っていたより魅力的に感じられる作品だった。
あらすじは、出世願望の強い若手証券マン、バド・フォックスが、業界のフィクサーであるゴードン・ゲッコーに取り入り、出世階段を駆け上がるが、
資本主義社会と業界の裏側を目の当たりにし目を覚ますという物語。
ゴードンとの関係が深みにはまってゆく転換となるシーンで、
ゴードンに汚れ仕事を頼まれ、いったんは断ったものの、ゴードンに車から放り出され、
一瞬の逡巡のあとにバドがゴードンに"You got me."と言い放つところが印象的だ。
こういう気のきいた台詞の使い方、テンポよい台詞回しがずいぶんある。
一匹狼のゴードンがバドに目をかけるようになる経緯もディテールをきちんと描いていて、
オリヴァー・ストーンの粘着質かつシニシズムに溢れた作品作りはここでも健在。
彼の作品は特に国内で賛否両論あるものが多いというが、
この作品もそう言った意味で当時波紋を及ぼしたらしい。
金融業界のことを知らずとも楽しめるのは、業界の内幕だけでなく、
バドとゴードン、バドと父親の関係性(C.シーンの実の父親、マーティン・シーンが父親を演じている)
が巧く描かれているからだろう。
マイケル・ダグラスの怪演が、この作品の魅力を下支えしている。
彼の敵役としてテレンス・スタンプが冷酷なイギリス人投資家を演じているのも一興。
ウォール街
WALL STREET
1987/USA/124min
監督:オリヴァー・ストーン
製作:エドワード・R・プレスマン/オリヴァー・ストーン
撮影:ロバート・リチャードソン
プロダクションデザイン:スティーヴン・ヘンドリクソン
編集:クレア・シンプソン
音楽:スチュワート・コープランド
出演:マイケル・ダグラス/チャーリー・シーン/ダリル・ハンナ/マーティン・シーン
テレンス・スタンプ/ショーン・ヤング
"WARRIORS OF HEAVEN AND EARTH-ヘブン・アンド・アース(2003)" [movie-w]
シルクロードの広大な景色を舞台に、日中の有名俳優を迎え、
壮大なスケールで語られるアクションストーリー。
監督がモチーフにしているのは玄奘三蔵のシルクロード横断なのだが、
準主役としてストーリーの要となっているのが、唯一日本人俳優として参加している中井貴一。
彼は遣唐使として数十年の歳月をかの地で過ごし、
西域の突厥警備の最先端である拓厥関(たくけ つかん)で、
母国に戻れる日を心待ちにする来栖旅人(くるすたびと)を演じる。
そんな来栖は皇帝から、元軍人で英雄でありながら、
突厥の女子供を殺すことを拒み、5人の部下とともに反逆者となった李(チアン・ウェン)を殺す任務を仰せつかる。
李討伐を達成した暁には母国へ帰してやるとのお達しに、
来栖は司令官の娘文殊(ヴィッキー・チャオ)を連れ、彼を追うこととなる。
そんな李は、砂嵐の中、命を助けてもらった兵士が警護するキャラバンをともに護衛し、
西域から唐の都長安への旅を続けていた。
そんなキャラバンを狙うのが、トルコ軍にキャラバンの積み荷を奪うよう依頼された馬賊の安(ワン・シュエチー)。
骨太で部下にも慕われる李と、
長年の異国暮らしで少し屈折したところもみられるものの、
頭もよく、武術に長けた来栖が、少しずつ理解し合うところや、
折々のアクションシーンの空間の使い方の巧さ、
大陸的な雰囲気が感じられる、壮大なシルクロードのロケーションは文句なく素晴らしい。
李と部下たちの関係性や、新たに仲間になる不老死や、
ことあるごとに二胡をたしなみ、蛇のように狡猾で残忍な雰囲気を醸し出す安もいい味を出している。
これは面白そうなアクション映画か…と思った矢先、
途中そんなところでなぜCG??といきなり漫画チックな展開になり、
さらにはラストでの何とも後味の悪い幕切れ。
こう感じるのは私が日本人だからだろうか。
また、役者も悪くなかったけれど、主人公の李がもう少し洗練されたルックスだったらと思わされた。
私がヴィッキー・チャオで、チアン・ウェンか中井貴一の二択だったとしたら、
中井貴一の方に惹かれたかもしれない(笑)。
意外とアクションの切れも良く、彼の雰囲気と流暢な中国語と風貌は役にはまっていたと思う。
アクション好き、シルクロード好きなら試しに観てもよいかもしれない。
しかし、ラストの陳腐な展開は、到底許し難かった。うーん。
WARRIORS OF HEAVEN AND EARTH
ヘブン・アンド・アース
天地英雄
2003/CHINA/118min
監督:ハー・ピン
脚本:ハー・ピン/チャン・ルイ
撮影:チャオ・フェイ
音楽:A・R・ラフマーン
出演:チアン・ウェン/中井貴一/ヴィッキー・チャオ/ワン・シュエチー
壮大なスケールで語られるアクションストーリー。
監督がモチーフにしているのは玄奘三蔵のシルクロード横断なのだが、
準主役としてストーリーの要となっているのが、唯一日本人俳優として参加している中井貴一。
彼は遣唐使として数十年の歳月をかの地で過ごし、
西域の突厥警備の最先端である拓厥関(たくけ つかん)で、
母国に戻れる日を心待ちにする来栖旅人(くるすたびと)を演じる。
そんな来栖は皇帝から、元軍人で英雄でありながら、
突厥の女子供を殺すことを拒み、5人の部下とともに反逆者となった李(チアン・ウェン)を殺す任務を仰せつかる。
李討伐を達成した暁には母国へ帰してやるとのお達しに、
来栖は司令官の娘文殊(ヴィッキー・チャオ)を連れ、彼を追うこととなる。
そんな李は、砂嵐の中、命を助けてもらった兵士が警護するキャラバンをともに護衛し、
西域から唐の都長安への旅を続けていた。
そんなキャラバンを狙うのが、トルコ軍にキャラバンの積み荷を奪うよう依頼された馬賊の安(ワン・シュエチー)。
骨太で部下にも慕われる李と、
長年の異国暮らしで少し屈折したところもみられるものの、
頭もよく、武術に長けた来栖が、少しずつ理解し合うところや、
折々のアクションシーンの空間の使い方の巧さ、
大陸的な雰囲気が感じられる、壮大なシルクロードのロケーションは文句なく素晴らしい。
李と部下たちの関係性や、新たに仲間になる不老死や、
ことあるごとに二胡をたしなみ、蛇のように狡猾で残忍な雰囲気を醸し出す安もいい味を出している。
これは面白そうなアクション映画か…と思った矢先、
途中そんなところでなぜCG??といきなり漫画チックな展開になり、
さらにはラストでの何とも後味の悪い幕切れ。
こう感じるのは私が日本人だからだろうか。
また、役者も悪くなかったけれど、主人公の李がもう少し洗練されたルックスだったらと思わされた。
私がヴィッキー・チャオで、チアン・ウェンか中井貴一の二択だったとしたら、
中井貴一の方に惹かれたかもしれない(笑)。
意外とアクションの切れも良く、彼の雰囲気と流暢な中国語と風貌は役にはまっていたと思う。
アクション好き、シルクロード好きなら試しに観てもよいかもしれない。
しかし、ラストの陳腐な展開は、到底許し難かった。うーん。
WARRIORS OF HEAVEN AND EARTH
ヘブン・アンド・アース
天地英雄
2003/CHINA/118min
監督:ハー・ピン
脚本:ハー・ピン/チャン・ルイ
撮影:チャオ・フェイ
音楽:A・R・ラフマーン
出演:チアン・ウェン/中井貴一/ヴィッキー・チャオ/ワン・シュエチー
"WHAT HAPPENS IN VEGAS"べガスの恋に勝つルール(2008) [movie-w]
最近TSUTAYA DISCASから送られてくるDVDの順番がおかしい。
予約リストのTOP10にも入らないようなランキングのものばかり自動送付されてきて
「グラントリノ」
「ベンジャミンバトンの数奇な人生」
「スラムドッグ$ミリオネア」
「ミルク」
「路上のソリスト」etc etc...
あたりが何回待っても送ってきません
タイミング悪いのかな。
ということで今回送られてきたのは"WHAT HAPPENS IN VEGAS"べガスの恋に勝つルール(2008)
キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャー主演のドタバタ・ラブコメディです。
ウォール街で働く、結婚直前で彼氏に振られたジョイと、
父親に勘当されたばかりのお気楽青年ジャックは、
ともに親友を連れて気晴らしにラスベガスへ。
ホテルのダブルブッキングで偶然同室となり、意気投合して酔っ払って羽目を外したあげく、うっかり結婚をしてしまう。
ところが、結婚解消直前にたまたまジョイの25セントを投入したスロットマシンで、ジャックが300万ドル当ててしまうのだ。
このあとふたりは300万円を巡り、親友を巻き込んで争うことになるのだが…。
正直設定はベタで、アメリカ的、でもそこが何も考えずに観て楽しめる。
はじめは本当に互いが嫌いで、でも裁判所の決定で300万ドルのためにはお互い愛し合う夫婦を演じなければならず、
その過程でふたりがお互いを理解し合っていくところは、展開が読めるところ。
よく、恋愛は減点方式だから、出会いがいちばんときめいて、だんだん醒めていってしまうと言うが、
これはいわば加点方式、マイナスからのスタートだから、お互いのちょっとした魅力で見直せてしまう。
本当に、良くも悪くも、何も考えずに観られた。
キャメロン・ディアスのファッションなんかは観ていて楽しい。
ウォール街で働くキャリア・ウーマン、でもそこはキャメロン、
ファッションもぎりぎりいっぱいのミニスカート。
30代後半であのスタイル、あの笑顔をキープできてるのはすごい。
勢いのあるセリフ回しや小気味よい動き、明るいアメリカンガール、のイメージはまだまだ健全かな。
アシュトン・カッチャーは…デミ・ムーアの顔もちらほら浮かんでしまい、特別何も感じなかったけれど、
頭空っぽ、でもどこか憎めないキャラクター、という点では合格だと思う。
ふたりをカウンセリングする先生にクイーン・ラティファ…想像以上に地味過ぎて気付かなかった…。
酔っ払ってばか騒ぎした上の勢いで結婚。
日本ではありえないけれど、したたかに酔って羽目を外して楽しんだ翌朝の嫌悪感は、理解できなくはない(笑)。
個人的にはエンドロールに挿入されている小ネタの映像がツボ。
"WHAT HAPPENS IN VEGAS"-ベガスの恋に勝つルール
2008/USA/99min
監督:トム・ヴォーン
脚本:デイナ・フォックス
撮影:マシュー・レオネッティ
衣装デザイン:レネー・アーリック・カルファス
編集:マシュー・フリードマン
音楽:クリストフ・ベック
出演:キャメロン・ディアス/アシュトン・カッチャー/ロブ・コードリー/トリート・ウィリアムズ
デニス・ミラー/レイク・ベル ティッパー/クイーン・ラティファ
予約リストのTOP10にも入らないようなランキングのものばかり自動送付されてきて
「グラントリノ」
「ベンジャミンバトンの数奇な人生」
「スラムドッグ$ミリオネア」
「ミルク」
「路上のソリスト」etc etc...
あたりが何回待っても送ってきません
タイミング悪いのかな。
ということで今回送られてきたのは"WHAT HAPPENS IN VEGAS"べガスの恋に勝つルール(2008)
キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャー主演のドタバタ・ラブコメディです。
ウォール街で働く、結婚直前で彼氏に振られたジョイと、
父親に勘当されたばかりのお気楽青年ジャックは、
ともに親友を連れて気晴らしにラスベガスへ。
ホテルのダブルブッキングで偶然同室となり、意気投合して酔っ払って羽目を外したあげく、うっかり結婚をしてしまう。
ところが、結婚解消直前にたまたまジョイの25セントを投入したスロットマシンで、ジャックが300万ドル当ててしまうのだ。
このあとふたりは300万円を巡り、親友を巻き込んで争うことになるのだが…。
正直設定はベタで、アメリカ的、でもそこが何も考えずに観て楽しめる。
はじめは本当に互いが嫌いで、でも裁判所の決定で300万ドルのためにはお互い愛し合う夫婦を演じなければならず、
その過程でふたりがお互いを理解し合っていくところは、展開が読めるところ。
よく、恋愛は減点方式だから、出会いがいちばんときめいて、だんだん醒めていってしまうと言うが、
これはいわば加点方式、マイナスからのスタートだから、お互いのちょっとした魅力で見直せてしまう。
本当に、良くも悪くも、何も考えずに観られた。
キャメロン・ディアスのファッションなんかは観ていて楽しい。
ウォール街で働くキャリア・ウーマン、でもそこはキャメロン、
ファッションもぎりぎりいっぱいのミニスカート。
30代後半であのスタイル、あの笑顔をキープできてるのはすごい。
勢いのあるセリフ回しや小気味よい動き、明るいアメリカンガール、のイメージはまだまだ健全かな。
アシュトン・カッチャーは…デミ・ムーアの顔もちらほら浮かんでしまい、特別何も感じなかったけれど、
頭空っぽ、でもどこか憎めないキャラクター、という点では合格だと思う。
ふたりをカウンセリングする先生にクイーン・ラティファ…想像以上に地味過ぎて気付かなかった…。
酔っ払ってばか騒ぎした上の勢いで結婚。
日本ではありえないけれど、したたかに酔って羽目を外して楽しんだ翌朝の嫌悪感は、理解できなくはない(笑)。
個人的にはエンドロールに挿入されている小ネタの映像がツボ。
"WHAT HAPPENS IN VEGAS"-ベガスの恋に勝つルール
2008/USA/99min
監督:トム・ヴォーン
脚本:デイナ・フォックス
撮影:マシュー・レオネッティ
衣装デザイン:レネー・アーリック・カルファス
編集:マシュー・フリードマン
音楽:クリストフ・ベック
出演:キャメロン・ディアス/アシュトン・カッチャー/ロブ・コードリー/トリート・ウィリアムズ
デニス・ミラー/レイク・ベル ティッパー/クイーン・ラティファ
"Wonderland" ひかりのまち(1999) [movie-w]
これも何度も観返す映画のひとつ「ひかりのまち」。
原題はWonderland、全編手持ちカメラで、
照明もエキストラも使わず撮影したというその映像は、
どこか夢の中で見た景色のような雰囲気で、原題そのままの風情。
反面リアルな生々しさもある。
三姉妹の次女のナディアは27歳、
カフェで働きながら伝言ダイヤルで相手を探す毎日。
彼女を中心に、両親や姉妹、その周りの人々の日々を追って、物語は進行する。
長女デビーは子供っぽい旦那に愛想をつかせ、女手ひとつで息子を育て、
三女モリーは臨月のお腹を抱えながらも、
彼女に一言の相談もなく仕事を辞めてしまった旦那とのトラブルに心を痛め、
三人の両親は、長年に渡る冷え切った関係を修復することも出来ない。
しかし救いは必ずどこかにあり、彼らはみなそれを探して生きている。
大きな悲しみとやるせなさに打ちのめされながらも、
人は小さな喜びを見出しながら生きていくのだ。
まさに「人生って、こんなもの」
登場人物が夜の街を移動する場面がいくつかあるのだが、
街の光が幻想的な雰囲気をかもし出していて、
自分があてどなく夜の街を徘徊した時の気分を思い出した。
ロンドンの夜の街にマイケル・ナイマンの音楽がものすごくよく似合う。
美しいだけの話ではないのに、なんというか、登場人物の心の機微が、
宝石のように輝く結晶になって観客の手のひらに零れ落ちてくる、 そんな印象がある。
音と、映像の甘美なシンクロニシティを楽しんでほしい映画。
ひかりのまち:Wonderland
1999/イギリス/1h49m
監督:マイケル・ウィンターボトム Michael Winterbottom
音楽:マイケル・ナイマン Michael Nyman
脚本:ローレンス・コリアト Laurence Coriat
出演:ジーナ・マッキー Gina McKee
シャーリー・ヘンダーソン Shirley Henderson
モリー・パーカー Molly Parker
ジョン・シム John Simm
スチュアート・タウンゼント Stuart Townsend
イアン・ハート Ian Hart
原題はWonderland、全編手持ちカメラで、
照明もエキストラも使わず撮影したというその映像は、
どこか夢の中で見た景色のような雰囲気で、原題そのままの風情。
反面リアルな生々しさもある。
三姉妹の次女のナディアは27歳、
カフェで働きながら伝言ダイヤルで相手を探す毎日。
彼女を中心に、両親や姉妹、その周りの人々の日々を追って、物語は進行する。
長女デビーは子供っぽい旦那に愛想をつかせ、女手ひとつで息子を育て、
三女モリーは臨月のお腹を抱えながらも、
彼女に一言の相談もなく仕事を辞めてしまった旦那とのトラブルに心を痛め、
三人の両親は、長年に渡る冷え切った関係を修復することも出来ない。
しかし救いは必ずどこかにあり、彼らはみなそれを探して生きている。
大きな悲しみとやるせなさに打ちのめされながらも、
人は小さな喜びを見出しながら生きていくのだ。
まさに「人生って、こんなもの」
登場人物が夜の街を移動する場面がいくつかあるのだが、
街の光が幻想的な雰囲気をかもし出していて、
自分があてどなく夜の街を徘徊した時の気分を思い出した。
ロンドンの夜の街にマイケル・ナイマンの音楽がものすごくよく似合う。
美しいだけの話ではないのに、なんというか、登場人物の心の機微が、
宝石のように輝く結晶になって観客の手のひらに零れ落ちてくる、 そんな印象がある。
音と、映像の甘美なシンクロニシティを楽しんでほしい映画。
ひかりのまち:Wonderland
1999/イギリス/1h49m
監督:マイケル・ウィンターボトム Michael Winterbottom
音楽:マイケル・ナイマン Michael Nyman
脚本:ローレンス・コリアト Laurence Coriat
出演:ジーナ・マッキー Gina McKee
シャーリー・ヘンダーソン Shirley Henderson
モリー・パーカー Molly Parker
ジョン・シム John Simm
スチュアート・タウンゼント Stuart Townsend
イアン・ハート Ian Hart
"WHERE THE WILD THINGS ARE" かいじゅうたちのいるところ(2009) [movie-w]
別に、絵本が大好きなわけではないのに、
大人になってからもずっと、大切に部屋に飾っている絵本がある。
モーリス・センダック著『かいじゅうたちのいるところ』
この世界的に人気のある絵本を原作に『マルコビッチの穴』のスパイク・ジョーンズが実写化した映画を観てきた。
http://www.youtube.com/watch?v=RY-dXsR_ZFg
このシンプルな物語をどうふくらませているのだろう、
実写化が難しいと思われるかいじゅうたちをどうやって作ったのだろう、
色々と興味はあったのだけれど…原作の世界観をこれだけ崩さずに、
しかも新しい『かいじゅうたちのいるところ』を作ったのはさすが、
原作者自身が指名した奇才スパイク・ジョーンズならではの仕事だろう。
そして何よりも大事な主人公の魅力。
スパイク・ジョーンズは「演技のうまい子ではなく、演技に本物の感情を込められる子どもが欲しかった」
として、1000人もの中からオーディションで主役マックス・ジョーンズを選んだそうだけれど、
その鑑識眼は正しかった。
くるくると走り回り、やんちゃで傷つきやすい少年は原作よりさらに魅力的。
父親のいない家庭、人生に疲れ、生きることで精いっぱいの母親、
顧みられていないと思いこむ少年の孤独と焦燥感。
愛情を得ることにあがき、その心が彼をかいじゅうたちの元へ運んでゆく。
このかいじゅうたちがまたびっくりするくらい精巧で、
本当に生きて動いているんじゃないかと思うくらい。
眼の動きや口元のしわなど、CGとわかっていても生身を感じさせる。
それは監督自身がかいじゅうを着ぐるみで撮影することにこだわり、
台詞の録音も、声の出演者たちに演劇をさせるように掛け合いをさせて録ったからこそ感じられた生気なのだろう。
個々のかいじゅうのキャラクターもそれぞれ深く描かれていて、
原作では味わえなかった面白さもある。
かいじゅうたちとの生活を通して次第に思い出される母親への思慕。
これは少年の成長譚、ではなく、
冒険を通して少年が見つけた壊れやすく温かいけれど大切なものを描いた作品だ。
原作者のセンダックはジョーンズ監督に
「僕はこの絵本を個人的な作品として書いたんだから、君もこの映画を個人的な作品として撮るべきだ」
とアドバイスしたと言う。
原作ではラスト、マックスの部屋に夕飯が用意されている情景で終わっているが、
映画は映画なりの解釈でラストが締めくくられている。
独自の世界観で現実を忘れられるとともに、誰しもが持っている温かさのようなものを呼び起こされる作品。
この作品は映画単体ではなく、原作も込みで堪能すべきだと思う。
ちなみに字幕も原作の訳者神宮輝夫氏が関わっていて、
原作の世界観を損なわない訳が付いていた。
今年映画館で初めて観た、素敵な作品。
"WHERE THE WILD THINGS ARE"
かいじゅうたちのいるところ
2009/USA/101min
監督: スパイク・ジョーンズ
製作: トム・ハンクス/ゲイリー・ゴーツマン/モーリス・センダック
ジョン・カールズ/ヴィンセント・ランディ
原作: モーリス・センダック
『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房刊)
脚本: スパイク・ジョーンズ/デイヴ・エッガース
撮影: ランス・アコード
出演:
マックス・レコーズ-マックス/キャサリン・キーナー-ママ
声の出演:
ローレン・アンブローズ-KW
クリス・クーパー-ダグラス
ジェームズ・ガンドルフィーニ-キャロル
キャサリン・オハラ-ジュディス
フォレスト・ウィッテカー-アイラ
ポール・ダノ-アレクサンダー
知らなかったのだけれど、かつて原作が7分ほどのアニメ作品として制作されていた。
こちらはまるきり原作そのものの世界観。
あとこちらもちょっと気になっていたのだけれど、
昨年渋谷movida館にできたOPENINEG CEREMONYとかいじゅうたちのいるところのコラボアイテム。
http://www.openingceremony.us/p318.html
これはちょっとギャグというか寝巻というか(笑)。
でも着心地は良さそう。
このベストはかなりキュート。
コートも結構いまどきな感じ。
映画を観た後だと、こういうファッションアイテムでもちょっと見る目が変わるかな。
大人になってからもずっと、大切に部屋に飾っている絵本がある。
モーリス・センダック著『かいじゅうたちのいるところ』
この世界的に人気のある絵本を原作に『マルコビッチの穴』のスパイク・ジョーンズが実写化した映画を観てきた。
http://www.youtube.com/watch?v=RY-dXsR_ZFg
このシンプルな物語をどうふくらませているのだろう、
実写化が難しいと思われるかいじゅうたちをどうやって作ったのだろう、
色々と興味はあったのだけれど…原作の世界観をこれだけ崩さずに、
しかも新しい『かいじゅうたちのいるところ』を作ったのはさすが、
原作者自身が指名した奇才スパイク・ジョーンズならではの仕事だろう。
そして何よりも大事な主人公の魅力。
スパイク・ジョーンズは「演技のうまい子ではなく、演技に本物の感情を込められる子どもが欲しかった」
として、1000人もの中からオーディションで主役マックス・ジョーンズを選んだそうだけれど、
その鑑識眼は正しかった。
くるくると走り回り、やんちゃで傷つきやすい少年は原作よりさらに魅力的。
父親のいない家庭、人生に疲れ、生きることで精いっぱいの母親、
顧みられていないと思いこむ少年の孤独と焦燥感。
愛情を得ることにあがき、その心が彼をかいじゅうたちの元へ運んでゆく。
このかいじゅうたちがまたびっくりするくらい精巧で、
本当に生きて動いているんじゃないかと思うくらい。
眼の動きや口元のしわなど、CGとわかっていても生身を感じさせる。
それは監督自身がかいじゅうを着ぐるみで撮影することにこだわり、
台詞の録音も、声の出演者たちに演劇をさせるように掛け合いをさせて録ったからこそ感じられた生気なのだろう。
個々のかいじゅうのキャラクターもそれぞれ深く描かれていて、
原作では味わえなかった面白さもある。
かいじゅうたちとの生活を通して次第に思い出される母親への思慕。
これは少年の成長譚、ではなく、
冒険を通して少年が見つけた壊れやすく温かいけれど大切なものを描いた作品だ。
原作者のセンダックはジョーンズ監督に
「僕はこの絵本を個人的な作品として書いたんだから、君もこの映画を個人的な作品として撮るべきだ」
とアドバイスしたと言う。
原作ではラスト、マックスの部屋に夕飯が用意されている情景で終わっているが、
映画は映画なりの解釈でラストが締めくくられている。
独自の世界観で現実を忘れられるとともに、誰しもが持っている温かさのようなものを呼び起こされる作品。
この作品は映画単体ではなく、原作も込みで堪能すべきだと思う。
ちなみに字幕も原作の訳者神宮輝夫氏が関わっていて、
原作の世界観を損なわない訳が付いていた。
今年映画館で初めて観た、素敵な作品。
"WHERE THE WILD THINGS ARE"
かいじゅうたちのいるところ
2009/USA/101min
監督: スパイク・ジョーンズ
製作: トム・ハンクス/ゲイリー・ゴーツマン/モーリス・センダック
ジョン・カールズ/ヴィンセント・ランディ
原作: モーリス・センダック
『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房刊)
脚本: スパイク・ジョーンズ/デイヴ・エッガース
撮影: ランス・アコード
出演:
マックス・レコーズ-マックス/キャサリン・キーナー-ママ
声の出演:
ローレン・アンブローズ-KW
クリス・クーパー-ダグラス
ジェームズ・ガンドルフィーニ-キャロル
キャサリン・オハラ-ジュディス
フォレスト・ウィッテカー-アイラ
ポール・ダノ-アレクサンダー
知らなかったのだけれど、かつて原作が7分ほどのアニメ作品として制作されていた。
こちらはまるきり原作そのものの世界観。
あとこちらもちょっと気になっていたのだけれど、
昨年渋谷movida館にできたOPENINEG CEREMONYとかいじゅうたちのいるところのコラボアイテム。
http://www.openingceremony.us/p318.html
これはちょっとギャグというか寝巻というか(笑)。
でも着心地は良さそう。
このベストはかなりキュート。
コートも結構いまどきな感じ。
映画を観た後だと、こういうファッションアイテムでもちょっと見る目が変わるかな。
かいじゅうたちのいるところ (スパイク・ジョーンズ 監督) [DVD]
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- メディア: DVD