]]>"MOONLIGHT MILE-ムーンライト・マイル(2002)"
https://whoismovielover.blog.ss-blog.jp/2011-07-12
引っ越し等々で忙しく、映画を観るペースも一気にスローダウン。引っ越し直後に観ていて、いまだレビューができていなかったこちらは、どうして今まで観られていなかったんだろうと思える質の良い作品だった。ダスティン・ホフマン演じるベンとスーザン・サランドン演じるジョージョーの娘ダイアナが、不幸な発砲事件に巻き込まれて亡くなってしまう。娘のフィアンセであるジェイク・ギレンホール演じるジョーは、なし崩し的に彼ら夫妻と生活をともにし、さらにベンの仕事も手伝うようになるのだが、彼はふたりに秘密を抱えながら一緒に暮らしていた。私の人生におけるワースト10に入る(笑)『シティ・オブ・エンジェル』の監督とは思えない、歯切れの良いオープニングが私好み。鳴り響く電話のベルの中、外出の準備をする3人。会話や衣服から、葬儀へ向かう準備なのだな、と思い当たる。家の前にずらっと並ぶ参列者を乗せた黒塗りの車の列。律義にドアを閉めて回るベンの立ち居振る舞いに、彼の性格が見て取れる。最後に3人が乗り込んだ車のエンジンをドライバーがかけると、車内に大音量で流れるSLY&THE FAMILY STONE "I wanna take you higher"一瞬車内に流れる気まずい空気に、ドライバーはすぐにオーディオを消す。それを後ろの座席から身を乗り出して無言でつけ直すジョージョー。曲に合わせて黒塗りの車の列が、街中を日常を切り裂いて通ってゆく様が映し出される。思いがけないセンスの良さが小気味よい。状況や関係性が分からないままに観ていると、次第に状況があらわになってくる。彼らの不幸に共感するような周囲の反応に嫌悪感を隠さないシニカルなジョージョーと、常識や儀礼に囚われるベンの夫妻の対比が面白い。そんなふたりの間で右往左往するジョー。戸惑いながらも娘を亡くした彼ら二人の状況を理解し寄り添おうとするが、発送済みの結婚式の招待状を回収するために訪れた郵便局で、バーティーという魅力的な女性に出会う。ベンとジョージョーに気兼ねしながらも、少しずつ、打ち解け心を通わせるジョーとバーティ。ジョーは夫妻に対し秘密を抱えていて、バーティもまた、心に重いものを抱えたまま、ジョーとの関係に悩んでいた。彼ら二人の関係性と、ベン&ジョージョー夫妻とジョーの関係性が、色々な状況に応じて少しずつ変化してゆく様子が描かれる。物語の合間のちょっとしたシークエンスが心地よい。70年代のヒットソン..movie-mmovielover2011-07-12T23:31:06+09:00
引っ越し直後に観ていて、いまだレビューができていなかったこちらは、
どうして今まで観られていなかったんだろうと思える質の良い作品だった。
私の人生におけるワースト10に入る(笑)『シティ・オブ・エンジェル』の監督とは思えない、
歯切れの良いオープニングが私好み。
鳴り響く電話のベルの中、外出の準備をする3人。
会話や衣服から、葬儀へ向かう準備なのだな、と思い当たる。
家の前にずらっと並ぶ参列者を乗せた黒塗りの車の列。
律義にドアを閉めて回るベンの立ち居振る舞いに、彼の性格が見て取れる。
最後に3人が乗り込んだ車のエンジンをドライバーがかけると、車内に大音量で流れる
SLY&THE FAMILY STONE "I wanna take you higher"
一瞬車内に流れる気まずい空気に、ドライバーはすぐにオーディオを消す。
それを後ろの座席から身を乗り出して無言でつけ直すジョージョー。
曲に合わせて黒塗りの車の列が、街中を日常を切り裂いて通ってゆく様が映し出される。
思いがけないセンスの良さが小気味よい。