東京アートミーティング トランスフォーメーションとオランダのアート&デザイン新言語 [ART]
最近観に行ったのに、時間がなくてすべて回りきれず断念していた
"東京アートミーティング トランスフォーメーション"に改めてリベンジ。
東京都現代美術館は広くて開放的な建物なので、行くと気分が上がる空間です。
せっかくなので、同時開催している"オランダのアート&デザイン新言語"展も回ることにする。
こちらはトランスフォーメーションよりもずいぶんこじんまりとした印象。
4人のアーティストの作品を展示している。
入るとすぐにジュエリー作家テッド・ノーテンの作品群。
無機質なアクリルを駆使した作品が印象的。
そして、家具デザインで有名なマーティン・バース。
シボネでその作品を観たこともあったスモークシリーズは、機能を残したまま燃やし、
クリアーなエポキシ樹脂でコーティングした家具。
こういう発想は凡人には浮かばないだろうなぁと思う。
燃やしたがため不完全な家具を完全に使える形で再現するなんて、すごくアンビバレンツな魅力がある。
同じく代表作のクレイ・シリーズ(こちらはワイヤーに工業用粘土をかぶせて成形し作った家具)や、
今回の展示のポスターにもなっているクロックも興味深い。
デジタル時代への警鐘、なんて深い意味はないかもしれないけれど、すごくシンプルなのに、見入ってしまった。
他にもマルタイン・エングルブレクトのポジティブなコミュニケーションをテーマにした作品群、
タケ・トモコの衣食住という日常を掘り起こし、想像力へと転化させる作品群など、
ポップで分かりやすい作品が多かった。
カフェでランチをとった後、今度はトランスフォーメーションへ。
その名の通り"Transformation"(変化、変容)をテーマとした展示。
もう、どこから語ったらいいのかわからないくらいバラエティに富んでいる。
順路を進んでいくうちにどんどんわくわくするような気持ちにさせてくれた。
まず、衝撃を受けるのが、グロテスクでリアルな生物を模した作品で有名なパトリシア・ピッチニーニの『新生児』。
カモノハシと人間のハイブリッドの変異体なのだけれど、しわや肌の質感、髪の毛の生え具合まで、
こんな物作っていいのか!と思わされる位にリアル。
豚も彼女の手にかかるとこんな感じに。
この女の子は作りものだ、と言ってだれが信じるだろう??
ピッチニーニの映像作品『サンドマン』に続いての部屋は真っ暗。
そして四方に配置されたスピーカーから異様な物音が聞こえてくる。
ジャングルのような音、自然界に存在するような音やきらきらする人工音、
目を閉じて聴いていると不思議とどこかへ連れ去られそうな感覚になる。
しばらく中にいると癖になるような音のシャワー。
次なるスペースでは複数の作家が展示されていた。
中でも特に気に入ったのはシャジア・シカンダーという作家の作品。
パキスタンで細密画をやっていたらしく、緻密な図柄とやさしい色合い、
それでいて少し不安な気持ちにさせるような要素があったりする。
そしてマシュー・バーニーの『クレマスター3』
いつかその作品の全容を観てみたいと思いつつ果たせていない。
今回はクレマスター3とそれに関連する写真や彫刻作品を展示。
クレマスター3自体はかなりの長編のため、その場で観ることはやはり断念したけれど、
マシュー・バーニーワールド全開の、観ていると痛そうな場面がしょっちゅう出てくる。
血を観るのが嫌いな人にはお勧めできません。美しく狂気的な世界観。
そして世界最年少記録で七大陸世界最高峰登頂を達成した石川直樹の写真作品。
真っ白な雪の中でも印象的だったのがイルリサットの墓地。
白い雪の中に立つ白い十字架が黙示録的な強さを持って迫ってくる。
また、彼のインタビューで構成された映像作品には、エベレスト登頂裏話的要素もあり、
いかに極限の状態で登頂しているのか、その過程を垣間見られる面白いものだった。
そしてトランスフォーメーションを別の視点でとらえた2作品も印象深かった。
ひとつは高木正勝の『イメネ:1、イズミ』『イメネ:0、エウラン』
もうひとつはヤナ・スターバック『高潮を待ちながら』
前者は世界を4原色で見ている鳥の視点で作られた映像で、
後者は犬の背中に乗せたカメラでヴェネチアの街を撮った映像。
どちらもベースは普通の風景でありながら、人間の視点と全く違うものに変容していることが面白い。
大きなオブジェを集めたフロアが最後の展示になるのだけれど、
そこに辿りつくまで、かなりのパワーを消耗させられてしまう、ものすごく力のある展示だったと思う。
この展示をみたからかどうか定かではありませんが、翌日高熱を出して倒れました(笑)。
最近倒れてばかりなので、自分の体がどうにかなっちゃったんじゃないかと、ちょっと心配な今日この頃です。
健康第一。
北極、南極、世界の果てってそういうことかな。
"東京アートミーティング トランスフォーメーション"に改めてリベンジ。
東京都現代美術館は広くて開放的な建物なので、行くと気分が上がる空間です。
せっかくなので、同時開催している"オランダのアート&デザイン新言語"展も回ることにする。
こちらはトランスフォーメーションよりもずいぶんこじんまりとした印象。
4人のアーティストの作品を展示している。
入るとすぐにジュエリー作家テッド・ノーテンの作品群。
無機質なアクリルを駆使した作品が印象的。
そして、家具デザインで有名なマーティン・バース。
シボネでその作品を観たこともあったスモークシリーズは、機能を残したまま燃やし、
クリアーなエポキシ樹脂でコーティングした家具。
こういう発想は凡人には浮かばないだろうなぁと思う。
燃やしたがため不完全な家具を完全に使える形で再現するなんて、すごくアンビバレンツな魅力がある。
同じく代表作のクレイ・シリーズ(こちらはワイヤーに工業用粘土をかぶせて成形し作った家具)や、
今回の展示のポスターにもなっているクロックも興味深い。
デジタル時代への警鐘、なんて深い意味はないかもしれないけれど、すごくシンプルなのに、見入ってしまった。
他にもマルタイン・エングルブレクトのポジティブなコミュニケーションをテーマにした作品群、
タケ・トモコの衣食住という日常を掘り起こし、想像力へと転化させる作品群など、
ポップで分かりやすい作品が多かった。
カフェでランチをとった後、今度はトランスフォーメーションへ。
その名の通り"Transformation"(変化、変容)をテーマとした展示。
もう、どこから語ったらいいのかわからないくらいバラエティに富んでいる。
順路を進んでいくうちにどんどんわくわくするような気持ちにさせてくれた。
まず、衝撃を受けるのが、グロテスクでリアルな生物を模した作品で有名なパトリシア・ピッチニーニの『新生児』。
カモノハシと人間のハイブリッドの変異体なのだけれど、しわや肌の質感、髪の毛の生え具合まで、
こんな物作っていいのか!と思わされる位にリアル。
豚も彼女の手にかかるとこんな感じに。
この女の子は作りものだ、と言ってだれが信じるだろう??
ピッチニーニの映像作品『サンドマン』に続いての部屋は真っ暗。
そして四方に配置されたスピーカーから異様な物音が聞こえてくる。
ジャングルのような音、自然界に存在するような音やきらきらする人工音、
目を閉じて聴いていると不思議とどこかへ連れ去られそうな感覚になる。
しばらく中にいると癖になるような音のシャワー。
次なるスペースでは複数の作家が展示されていた。
中でも特に気に入ったのはシャジア・シカンダーという作家の作品。
パキスタンで細密画をやっていたらしく、緻密な図柄とやさしい色合い、
それでいて少し不安な気持ちにさせるような要素があったりする。
そしてマシュー・バーニーの『クレマスター3』
いつかその作品の全容を観てみたいと思いつつ果たせていない。
今回はクレマスター3とそれに関連する写真や彫刻作品を展示。
クレマスター3自体はかなりの長編のため、その場で観ることはやはり断念したけれど、
マシュー・バーニーワールド全開の、観ていると痛そうな場面がしょっちゅう出てくる。
血を観るのが嫌いな人にはお勧めできません。美しく狂気的な世界観。
そして世界最年少記録で七大陸世界最高峰登頂を達成した石川直樹の写真作品。
真っ白な雪の中でも印象的だったのがイルリサットの墓地。
白い雪の中に立つ白い十字架が黙示録的な強さを持って迫ってくる。
また、彼のインタビューで構成された映像作品には、エベレスト登頂裏話的要素もあり、
いかに極限の状態で登頂しているのか、その過程を垣間見られる面白いものだった。
そしてトランスフォーメーションを別の視点でとらえた2作品も印象深かった。
ひとつは高木正勝の『イメネ:1、イズミ』『イメネ:0、エウラン』
もうひとつはヤナ・スターバック『高潮を待ちながら』
前者は世界を4原色で見ている鳥の視点で作られた映像で、
後者は犬の背中に乗せたカメラでヴェネチアの街を撮った映像。
どちらもベースは普通の風景でありながら、人間の視点と全く違うものに変容していることが面白い。
大きなオブジェを集めたフロアが最後の展示になるのだけれど、
そこに辿りつくまで、かなりのパワーを消耗させられてしまう、ものすごく力のある展示だったと思う。
この展示をみたからかどうか定かではありませんが、翌日高熱を出して倒れました(笑)。
最近倒れてばかりなので、自分の体がどうにかなっちゃったんじゃないかと、ちょっと心配な今日この頃です。
健康第一。
ジ・オーダー from Matthew Barney's Cremaster3 [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- メディア: DVD
北極、南極、世界の果てってそういうことかな。
ホントに豚とは思えない・・・ですね><;
by お茶屋 (2011-01-28 18:27)
>>お茶屋さん
豚×人間なんでしょうね、
展示物はカモノハシ×人間の胎児でしたが、
リアル過ぎてびっくりしました。
by movielover (2011-01-29 14:10)