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IN CEREBRATION OF WOMAN-麗しき女性たち~マルティーヌ・フランク写真展 [ART]

実家からの帰りに銀座に寄って、見そびれていた写真展へ。
CHANEL NEXAS HALLで開催されていた麗しき女性たち~マルティーヌ・フランク写真展

マルティーヌはベルギー、アントワープ生まれ。
幼少期をアメリカとイギリスで過ごし、マドリード大学を経てパリのエコール・ド・ルーブルに学ぶ。
LIFEでのアシスタント経験を経てマグナムへヴュー・エージェンシー、ビバ・エージェンシーを経てマグナム正会員へ。
女性ながら世界を回り写真を撮り、表題の通り、今回の展示はそんな彼女が女性を撮った作品を中心に展示してあった。
展示の導入部は"Looking & Feeling"と題され、
高齢者施設の老女の無垢な笑みを皮切りに、女性らしい視点で柔らかく、対象を切り取ってゆく。
茶目っ気たっぷりの一枚。
martine franck 002.jpg
独特な視点が新鮮な驚きを与えてくれる。
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柔らかく、穏やかで、そして時に激しく、美しい。
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Le Grand Palaisのポール・デルヴォーの絵画を覗く老女の構図は秀逸。
原画は幻想的な世界観で、マルティーヌの作品はその世界観を踏襲して浄化させる形で撮られているのがわかる。
PDelvaux0319.jpg


その次のシークエンスはムンバイやマラケシュ、トランシルバニアなど、世界を巡って取られた写真たちや、
パリの不法移民の母子たちを撮ったシリーズ。
先入観があるからかもしれないけれど、やはり男性が撮る写真より優しさを感じる。
そのほかにも働く女性をテーマにしたシークエンスでは、
工場で働く労働者から、映画監督、ParisのキャバレーCrazy horse saloonの踊り子のバックステージ、
祇園の芸妓まで、みな生き生きと、誇りに満ちた表情が印象的だった。
中でも構図が面白いなと思ったのは、アニエス・ヴァルダを鏡越しに取った一枚。
目の前にはフィルムが積み上げられ、フラットな表情のアニエスが、すごくナチュラルに撮られている。

そして後半は彼女が得意としているだろう、ポートレートたち。
緊張感をといて、フローな状態でレンズを見つめる女性たちの姿が素敵だった。
ジャンヌ・モローの力強さ、
martine franck 004.jpg
エマニュエル・べアールのコケットリー。
martine franck 005.jpg
パロマ・ピカソからチベットの尼僧まで。
あらゆる女性たちの真の美しさを切り取る写真。
ラストのFamiliesと題された写真の中には、
夫である写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンの優しげな笑顔も。

階下のシャネルの店舗で更なる目の保養も。

素敵な女性になるには、まだまだ年月と修養が必要だけれど、
本当に観に来られて良かったなぁと思う展示でした。

この展示の作品中心に収録されている、素敵な写真集。

Women / Femmes

Women / Femmes

  • 作者: Martine Franck
  • 出版社/メーカー: Steidl
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: ハードカバー


Martine Franck

Martine Franck

  • 作者: Louise Baring
  • 出版社/メーカー: Phaidon Press
  • 発売日: 2007/03/01
  • メディア: ハードカバー



幻想的なポール・デルヴォーの作品も、なかなか素敵です。

Paul Delvaux: Odyssey of a Dream

Paul Delvaux: Odyssey of a Dream

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Exhibitions Intl
  • 発売日: 2007/11/30
  • メディア: ペーパーバック



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