"BANLIEUE 13-アルティメット"(2004) [movie-a]
私がこの手の作品を進んで観ることはほとんどない。
しかもリュック・ベッソン絡み。
その昔、『グラン・ブルー』や『ニキータ』をきっかけに、映画の世界へのめりこんだ私にとって、
リュック・ベッソン絡みの近年の作品は、手を出すのにちょっとしたためらいを感じてしまう。
けれど、何となく何も考えたくない日々が続いていて、Gyaoの無料視聴可能なラインナップの中からチョイス。
2004年当時近未来として設定された2010年。
パリ郊外の"バンリュー13"は、警察の力も及ばず、学校も、公共施設も機能しないほどに荒廃していた。
そんなシチュエーションの舞台となるバンリューとは、アメリカで言えばいわばゲットー。
その昔、旅慣れない学生だった頃、格安ツアーで初めて行ったパリで泊まった3つ星ホテルが、
バンリューと呼ばれる郊外にあった。
思い描いていたパリの姿とまったく違う雰囲気に戸惑ったことは今も忘れない。
ぱっとしない団地が立ち並ぶ寂れた地域で、お店と言えばバス停の近くにちょっとした商店があるくらい。
すれ違う人々はアラブ系やアフリカ系が多く、
なんだか、異国に来た上に、とんでもない地域に来てしまったと思い、
夜、パリの市中から宿に戻るときは何だかびくびくしていた。
なので、そんなバンリューが無法地帯と化すという状況は、なんだかすんなりと理解ができた。
さて、バンリュー13地区で生まれ育ち、自らの肉体で地区の秩序を守るため、日々麻薬の売人タハに立ち向かうレイト。
そのレイトはある衝突をきっかけに、自分の妹ローラをタハに奪われてしまった上に、
自分は刑務所に収監されてしまう。
このレイト演じるダヴィッド・ベルの肉体技がすごい。
彼が行うのはパルクール(Parkour,PK)というフランス発祥の運動方法。
周囲にある環境を利用しながら「走る」「登る」「跳ぶ」などの基本動作だけで凄技を見せてくれる。
ビルの壁、段差、階段、手すり、ドア、すべてを利用して巧みに追手をかわすベルの技は、
「目が離せない」「目が釘付けになる」という慣用句を自然と思い起こさせる。
これってCGじゃないの??と思うような場面が随所にある。
けれど、このパルクール、人間の本来あるべき姿、たとえば森林に住む野生の猿なら、
当たり前の動きなんじゃないかなとも思わされる。
ちなみにこのパルクールの元になるMéthode Naturelle(メソッド・ナチュレル)とは、直訳すると、「自然法」と言う意味。
さて、一方、緻密な工作と巧みな武術で優秀な検挙率を誇るエリート捜査官ダミアン(シリル・ラファエル)。
ダミアンは上層部からバンリュー13地区に持ち込まれたミサイルの解除を命じられ、
収監中のレイトの助けを得てバンリュー13地区に乗り込むこととなる。
さて、その顛末はいかに。
ラストの展開はいかにもアクション映画、とはいえ、落ちにはフランス人らしいエスプリも感じられた。
もしかしてフランス人ならバンリューとフランス政府を巡る位置関係や、
バンリューの犯罪事情にもう少し何らかの感慨をもつかもしれないけれど、
私から観たこの映画のメインの主題は格闘とパルクールを含む彼らの動きに尽きる。
キャラクター設定の単純さや、若干展開の稚拙さは否めないけれど、とにかく爽快だった。
そう言えばリュック・ベッソンの格闘技好き、なかでもブルース・リー好きはかなり有名らしい。
彼にとって、映画へのプリミティブな想いとは、
子供時代に観たアクション映画の延長線上にあるものなのかもしれない。
BANLIEUE 13
アルティメット
2004/FRA/85min
監督:ピエール・モレル
製作:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン/ビビ・ナセリ
撮影:マヌエル・テラン
出演:シリル・ラファエリ/ダヴィッド・ベル/トニー・ダマリオ/ラルビ・ナセリ/ダニー・ヴェリッシモ
しかもリュック・ベッソン絡み。
その昔、『グラン・ブルー』や『ニキータ』をきっかけに、映画の世界へのめりこんだ私にとって、
リュック・ベッソン絡みの近年の作品は、手を出すのにちょっとしたためらいを感じてしまう。
けれど、何となく何も考えたくない日々が続いていて、Gyaoの無料視聴可能なラインナップの中からチョイス。
2004年当時近未来として設定された2010年。
パリ郊外の"バンリュー13"は、警察の力も及ばず、学校も、公共施設も機能しないほどに荒廃していた。
そんなシチュエーションの舞台となるバンリューとは、アメリカで言えばいわばゲットー。
その昔、旅慣れない学生だった頃、格安ツアーで初めて行ったパリで泊まった3つ星ホテルが、
バンリューと呼ばれる郊外にあった。
思い描いていたパリの姿とまったく違う雰囲気に戸惑ったことは今も忘れない。
ぱっとしない団地が立ち並ぶ寂れた地域で、お店と言えばバス停の近くにちょっとした商店があるくらい。
すれ違う人々はアラブ系やアフリカ系が多く、
なんだか、異国に来た上に、とんでもない地域に来てしまったと思い、
夜、パリの市中から宿に戻るときは何だかびくびくしていた。
なので、そんなバンリューが無法地帯と化すという状況は、なんだかすんなりと理解ができた。
さて、バンリュー13地区で生まれ育ち、自らの肉体で地区の秩序を守るため、日々麻薬の売人タハに立ち向かうレイト。
そのレイトはある衝突をきっかけに、自分の妹ローラをタハに奪われてしまった上に、
自分は刑務所に収監されてしまう。
このレイト演じるダヴィッド・ベルの肉体技がすごい。
彼が行うのはパルクール(Parkour,PK)というフランス発祥の運動方法。
周囲にある環境を利用しながら「走る」「登る」「跳ぶ」などの基本動作だけで凄技を見せてくれる。
ビルの壁、段差、階段、手すり、ドア、すべてを利用して巧みに追手をかわすベルの技は、
「目が離せない」「目が釘付けになる」という慣用句を自然と思い起こさせる。
これってCGじゃないの??と思うような場面が随所にある。
けれど、このパルクール、人間の本来あるべき姿、たとえば森林に住む野生の猿なら、
当たり前の動きなんじゃないかなとも思わされる。
ちなみにこのパルクールの元になるMéthode Naturelle(メソッド・ナチュレル)とは、直訳すると、「自然法」と言う意味。
さて、一方、緻密な工作と巧みな武術で優秀な検挙率を誇るエリート捜査官ダミアン(シリル・ラファエル)。
ダミアンは上層部からバンリュー13地区に持ち込まれたミサイルの解除を命じられ、
収監中のレイトの助けを得てバンリュー13地区に乗り込むこととなる。
さて、その顛末はいかに。
ラストの展開はいかにもアクション映画、とはいえ、落ちにはフランス人らしいエスプリも感じられた。
もしかしてフランス人ならバンリューとフランス政府を巡る位置関係や、
バンリューの犯罪事情にもう少し何らかの感慨をもつかもしれないけれど、
私から観たこの映画のメインの主題は格闘とパルクールを含む彼らの動きに尽きる。
キャラクター設定の単純さや、若干展開の稚拙さは否めないけれど、とにかく爽快だった。
そう言えばリュック・ベッソンの格闘技好き、なかでもブルース・リー好きはかなり有名らしい。
彼にとって、映画へのプリミティブな想いとは、
子供時代に観たアクション映画の延長線上にあるものなのかもしれない。
BANLIEUE 13
アルティメット
2004/FRA/85min
監督:ピエール・モレル
製作:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン/ビビ・ナセリ
撮影:マヌエル・テラン
出演:シリル・ラファエリ/ダヴィッド・ベル/トニー・ダマリオ/ラルビ・ナセリ/ダニー・ヴェリッシモ
脚本がリュック・べッソンなんですね。
彼の作品は少しだけど見たことあります。フィフス・エレメント、ジャンヌ・ダルクetc etc ・・・。ありゃ、ミラ・ジョボヴッチつながりかな? (笑)
そうですか、格闘技の映画としてみると面白い? ^^
by moz (2011-05-05 17:22)
リュックなかなかやるな、と思った1本です。
やっぱりパルクールに尽きますね。本当に見応えがあって、いい作品でした。
by ken (2011-05-20 23:25)
>>mozさん
ミラ・ジョボビッチがお好みですか(笑)??
リュック・ベッソンは本当に格闘技好きだと思います(笑)
>>kenさん
パルクール、すごいですよね!!
続編もまあまあ面白かったです。
by movielover (2011-05-24 00:15)