"MILK"-ミルク(2008) [movie-m]
"Without hope, the life is not worth living."
希望がなければ、人生は生きる価値がない。
アメリカの政治家、ゲイの権利活動家ハーヴィー・ミルクを描いたガス・ヴァン・サントの"MILK"。
映画の中で、もし、自分が暗殺されたら公開してほしいと録音した音声テープに吹き込んだ言葉。
同性愛者であることを公表し、アメリカではじめて大都市の公職に選ばれたハーヴィー・ミルク。
彼の特異な生涯を、ガス・ヴァン・サントが丁寧に追った。
監督自身、ゲイであることを公表しており、
主人公をミルクを演じたショーン・ペンがアカデミー賞最優秀男優賞を受賞したのも記憶に新しく、
ずっと気にはなっていた映画。
ショーン・ペンはこの手のキャラクターを演じさせたら本当にはまる役者だと思う。
それでなくとも巧みな役者であるとともに、実際の映像のハーヴィー・ミルク本人に、
驚くほど雰囲気と笑顔が似ている。
そして、この監督らしく、大層丁寧に事実を追っているようなのが印象に残る。
リアルさ、そして、痛みと希望について、人と人との関わりについて。
世の中にはどうしようもないこと、どうでもいいこと、そしてどうでもいいと言いきってしまってはいけないこと、がある。
私にとってこの作品は、その境界線を問うような映画だった。
フォーカスすべきはマイノリティの権利ではなく、
人と人との関わり方ではなかったろうか??
ハーヴィー・ミルク、彼の人との関わり方を、
もう少し知ってみたくなった。
ドキュメンタリーの"The times of Harvey Milk"(1984)、
そして、このガス・ヴァン・サントの"MILK"に先を越された感はあるけれど、
もし最終的に撮られることがあるのであれば、
同じく同性愛者であることを告白しているブライアン・シンガーが監督する、
『カストロ通りの市長(原題)』(The Mayor of Castro Street)も観てみたい。
最後に、彼の言葉。
"If a bullet should enter my brain,
Let that bullet destroy every closet door!"
「もし一発の銃弾が私の脳に達するようなことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」
(= もし私が暗殺されるようなことがあれば、
それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)
彼が、努力したことが、今日のゲイコミュニティに残した功績は計り知れないのだと思う。
自分でできることはちっぽけだけれど、
案外ちょっとした心遣いで世界はうまく回るものなのかもしれない。
MILK
ミルク
2008/USA/128min
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
撮影:ハリス・サヴィデス
衣装デザイン:ダニー・グリッカー
編集:エリオット・グレアム
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ショーン・ペン/ジェームズ・フランコ/ジョシュ・ブローリン/エミール・ハーシュ
ディエゴ・ルナ/アリソン・ピル/ルーカス・グラビール/ヴィクター・ガーバー
デニス・オヘア/ジョセフ・クロス/ハワード・ローゼンマン/ブランドン・ボイス
希望がなければ、人生は生きる価値がない。
アメリカの政治家、ゲイの権利活動家ハーヴィー・ミルクを描いたガス・ヴァン・サントの"MILK"。
映画の中で、もし、自分が暗殺されたら公開してほしいと録音した音声テープに吹き込んだ言葉。
同性愛者であることを公表し、アメリカではじめて大都市の公職に選ばれたハーヴィー・ミルク。
彼の特異な生涯を、ガス・ヴァン・サントが丁寧に追った。
監督自身、ゲイであることを公表しており、
主人公をミルクを演じたショーン・ペンがアカデミー賞最優秀男優賞を受賞したのも記憶に新しく、
ずっと気にはなっていた映画。
ショーン・ペンはこの手のキャラクターを演じさせたら本当にはまる役者だと思う。
それでなくとも巧みな役者であるとともに、実際の映像のハーヴィー・ミルク本人に、
驚くほど雰囲気と笑顔が似ている。
そして、この監督らしく、大層丁寧に事実を追っているようなのが印象に残る。
リアルさ、そして、痛みと希望について、人と人との関わりについて。
世の中にはどうしようもないこと、どうでもいいこと、そしてどうでもいいと言いきってしまってはいけないこと、がある。
私にとってこの作品は、その境界線を問うような映画だった。
フォーカスすべきはマイノリティの権利ではなく、
人と人との関わり方ではなかったろうか??
ハーヴィー・ミルク、彼の人との関わり方を、
もう少し知ってみたくなった。
ドキュメンタリーの"The times of Harvey Milk"(1984)、
そして、このガス・ヴァン・サントの"MILK"に先を越された感はあるけれど、
もし最終的に撮られることがあるのであれば、
同じく同性愛者であることを告白しているブライアン・シンガーが監督する、
『カストロ通りの市長(原題)』(The Mayor of Castro Street)も観てみたい。
最後に、彼の言葉。
"If a bullet should enter my brain,
Let that bullet destroy every closet door!"
「もし一発の銃弾が私の脳に達するようなことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」
(= もし私が暗殺されるようなことがあれば、
それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)
彼が、努力したことが、今日のゲイコミュニティに残した功績は計り知れないのだと思う。
自分でできることはちっぽけだけれど、
案外ちょっとした心遣いで世界はうまく回るものなのかもしれない。
MILK
ミルク
2008/USA/128min
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
撮影:ハリス・サヴィデス
衣装デザイン:ダニー・グリッカー
編集:エリオット・グレアム
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ショーン・ペン/ジェームズ・フランコ/ジョシュ・ブローリン/エミール・ハーシュ
ディエゴ・ルナ/アリソン・ピル/ルーカス・グラビール/ヴィクター・ガーバー
デニス・オヘア/ジョセフ・クロス/ハワード・ローゼンマン/ブランドン・ボイス
ハーヴェイ・ミルク [コレクターズ・エディション] [DVD]
- 出版社/メーカー: マクザム
- メディア: DVD
同姓を愛するのって問題ないですよね。
私は同性愛者ではないけど(どちらかというと人間不信 ^^;)
異性愛より純粋な気がしました。
ちょっと前に観た『フィリップ、君を愛してる!』も同性愛がテーマ。
実話なのにコメディータッチに仕上がっていて結構面白かったですよ。
同性愛というか、昔の高貴な人などにも男色が多かったというのに
未だに差別感情を持つ人が多いのは不思議です。
by figaro (2010-06-21 21:31)
>>figaroさん
本当にそうですね。
人を思う純粋な気持ちには男も女も関係ないような気がします。
いまだに偏見は根強くあると思うのですが…。
人と違う、異物に対する排他的な感情は、昔から変わらず残ってる気がします。
同性愛だけじゃなくて、ちょっとしたことなら日常にも転がってますよね。
例えば…一般的な日本企業の体質にはまらない人に対して排他的になる、とか。
「フィリップ、~」は気になっていたのですが、観に行けてないんです。
ゲイのユアン・マクレガー、キュートそうですね(^^)。
by movielover (2010-06-22 14:09)
ストレートでありながら、ゲイやレズビアンを理解するのは
movieloverさんがおっしゃる「ちょっとした心遣い」によるものだと思います。
それさえ出来れば、平和な世の中になるのに。
by ken (2010-06-23 13:18)
>>kenさん
ちょっとした心遣い、自分も忘れないようにしなくちゃ、と思います。
ゲイの方って、お話しするといつも思うんですけど、
話し方だったり、行動だったりが、
笑いを誘発する目的とかで自虐的、攻撃的な風に見えても、
実は周囲のことを色々考えている、繊細で温かい方が多いんですよね。
nice!ありがとうございます。
by movielover (2010-06-23 21:46)